内装の仕事はデータのやりとりがつきものですが白図を描くために
Auto Cadで描いたdxfのファイルをお客さんからもらうことが多いと思います。
しかしベクターワークスで取り込めるとはいえ、互換性が完璧ではないのが現状です。
多少の作業をして不具合を直さないとデータとして使えないこともしばしば。
設計事務所の仕事で白図を起こすことが頻繁にありますが
その際に行っている不具合の対処方法を教えます。
縮尺、図形の大きさが合わない時
基本的な縮尺合わせの方法です。

[ファイル]メニューの[取り込む]→[DXF取り込み]を選択
ファイルの単位設定を自動決定ではなく手動でミリメートルを選んで
縮尺も自分で選びます…
しかし。 この作業をしても縮尺合わないですよね?
そんな時の解決法。
ソファの寸法を例に解説していきます。
1 [ファイル]メニューの[取り込む]→[DXF取り込み]を選択
縮尺を手動で選択してdxfファイルを取り込むところまでは同じです。
[sen]
2 合わせたいサイズと、現在の狂っているサイズを確認します。
ソファの図形からは寸法が取りづらいので寸法線を基準に数字を確認しました。

本来のw820に対して現在の寸法が81.54になっています。
[sen]
3 確認後、[加工]メニューの「伸縮」を選んで倍率を入力します。

正しい寸法 / 現在の寸法を入力します。
[alert title=”注意”]割るという意味の / を必ず入力してください。
また正しい寸法と現在の寸法の入力の順番を逆にしないように。
たまにやってしまうのですが順番を間違えると寸法が合いません![/alert]
今回は820 / 81.45と入力しました。
okボタンを押すと「全ての図形を伸縮してもよろしいですか?」
とメッセージが出るので「はい」を選択します。
そうすると図形全体が大きくなります。
[sen]
4 正しいサイズに変更されたか確認します。

寸法線が820と正しい数字に直りました。
もしここで端数が出ている場合はもう一度手順3の作業(倍率を入力)をします。
例:820/819.22← 端数を入力

[box class=”box2″]
この作業をすることでやっとdxfファイルを元に白図を描くことができます。
多少手間ですが現調前のおおよその図面を描くときもスケール感を合わせられます。
[/box]
新規のクラスがいっぱいできてしまう
ベクターワークスでdxfファイルを読み込むと
Auto Cadで描いた図面のレイヤーがそのまま引き継がれます。
取り込む時点ではレイヤーデータを削除できないので取り込む際の設定方法と、
取り込んだ後の削除方法を2つお伝えします。
クラスに変換する場合
1 [ファイル]メニューの[取り込む]→[DXF取り込み]を選択
ファイルの単位設定をでミリメートルを選択、縮尺も手動で選択します。
次にグラフィック属性のタブを押します。
下の方のクラス/レイヤの[クラスに変換]を選びます。
okを押します。

[sen]
2 取り込んだ後クラスを確認します。

データが何も入っていなかったり、小さすぎて見づらいこともあるので
何のデータが入っているか確認しましょう。
[memo title=”データの確認方法”] 他のレイヤーを[表示+スナップ+編集]の状態にしてcommand+A を押すと
図形が全て選択されて個数が表示されます。
無い場合は何も表示されません。[/memo]
[sen]
3 データを確認後クラスタブの横にあるを押してクラスの一覧を出します。

削除ボタンを押すと[全ての図形を削除]と[全ての図形を次のクラスに割り当てる]
を選べるのでデータがいらない場合は[全ての図形を削除]を選び、
残したい場合は保存先のクラスを指定して
[全ての図形を次のクラスに割り当てる]を選んでokを押します。
残すクラス以外はこの作業を繰り返して削除します。
[memo title=”MEMO”]何のデータが入っているか確認せずにクラスを削除して
[一般クラス]等に割り当てる方法もありますがクラスを
残しておいた方が作業しやすい場合もあるので、
やはり中に入っているデータを確認しましょう。[/memo]
レイヤに変換する場合
1 [ファイル]メニューの[取り込む]→[DXF取り込み]を選択
ファイルの単位設定をでミリメートルを選択、縮尺も手動で選択します。
次にグラフィック属性のタブを押します。
下の方のクラス/レイヤの[レイヤに変換]を選びます。

[sen]
2 取り込んだ後レイヤを確認します。

[memo title=”データの確認の仕方”] 他のクラスを[表示+スナップ]の状態にしてcommand+A を押すと
図形が全て選択されて個数が表示されます。
無い場合は何も表示されません。[/memo]
[sen]
3 データを確認後レイヤタブの横にあるを押してレイヤの一覧を出します。
削除したいレイヤを選択して削除を押すと「〜レイヤを削除しますか?」
と表示されるので「はい」を押します。

残すレイヤ以外はこの作業を繰り返して削除します。
[alert title=”注意”]レイヤを削除する場合は他のレイヤにデータを割り当てられることなく
削除されてしまいます。
本当に削除してよいのかきちんと確認してください。間違って消してしまい
元に戻せない場合はもう一度ファイルを取り込むところから作業が発生します![/alert]
まとめ
いかがでしたか?
難しい作業ではありませんが結構手間がかかりますね。
正確な図面を描くためにも注意事項に気をつけて作業を進めてください。
慣れるとさほど時間をかけずにできるようになります。
ぜひ繰り返し練習してみてください。